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土木業界に求められる現場作業員の体調管理

土木業界の現場では、心身共にさまざまな健康リスクが存在します。
管理者はこれらのリスクから現場作業員を守るため、体調管理と現場環境の改善に努めることが求められます。

今回は土木業界で働く現場作業員の体調管理について、具体的な対策や取り組み例を解説します。


目次[非表示]

  1. 1.現場作業員の体調管理は万全ですか?
  2. 2.土木現場で起こり得るリスクと対策
    1. 2.1.熱中症
    2. 2.2.メンタル不調
      1. 2.2.1.建災防方式健康KYとは
      2. 2.2.2.建災防方式無記名ストレスチェックとは
  3. 3.手厚い健康対策で作業員の体調を管理
  4. 4.まとめ


現場作業員の体調管理は万全ですか?

現場作業員の体調管理の取り組みは万全なものか、あらためて振り返ってみましょう。
労働契約法の第5条では、以下のように定められています。

第5条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

出典:厚生労働省「労働契約法のあらまし


企業は労働者の安全が確保された環境で労働できるよう配慮する『安全配慮義務』を負っています。現場作業員を危険から保護するのも企業の義務です。

建設業は人材不足が深刻化しており、慢性的に長時間労働が行われている現場もあります。長時間労働が続く状況は体調不良やメンタル不調の要因となり得ます。注意力や集中力を散漫させ、労災事故(労働災害事故)につながるリスクもあります。

建設業における労災被害は年々減少していますが、それでも毎年15,000件以上の事故が起きている現状です。
企業レベルでしっかりと対策を講じ、現場で働く作業員の体調管理に注意することが大切でしょう。


土木現場で起こり得るリスクと対策

土木現場では天候や気温、メンタル不調に注意する必要があります。どのような要因が現場作業員の体調に悪影響を及ぼすのかを把握し、体調管理を行える環境を整備しましょう。

以下では、実際に土木現場で起こり得るリスクや具体的な対策について解説します。


熱中症

土木業界は、屋外や高温・高湿度状態の現場がほとんどです。とくに夏の日中、炎天下での作業は熱中症のリスクが非常に高くなります。

熱中症は、気温が高くなくても湿度が高ければ発症しやすいため注意が必要です。厚生労働省の発表した2018年のデータでは、建設業は職場における熱中症死亡者数が10人と全産業で最多。全体の約4割を占めていることがわかりました。

本人の対策だけではカバーしきれない部分もあるため、企業が積極的に対策を行う必要があります。

企業レベルでできる具体的な対策としては、まずは環境の整備です。休憩場所にエアコンやウォーターサーバーを設置し、冷却グッズを充実させましょう。現場ではこまめな休憩や水分補給を行いながら、梅干しや塩分タブレットなどで適度に塩分を補給させることも大切です。小型ファン付きの空調服や、通気性に優れたヘルメット、ジャケットも効果が期待できます。

また国が推奨している暑さ指数『WBGT』の活用もおすすめです。WBGTは熱中症リスクを見える化し、熱中症予防に効果が期待できます。算出したWBGT値を現場に掲示して熱中症の注意喚起に活用しましょう。

出典:厚生労働省「平成30年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)

メンタル不調

残業や休日出勤などの長時間労働、労働時間に見合わない給与、人間関係でのトラブルなどはメンタルヘルスに影響を与えます。メンタル不調は労災事故の要因にもなり得るため注意が必要です。

土木現場では、一つの作業を行うために複数の事業者が混在し、多くの人が入れ替わり立ち替わり仕事を進めていきます。そのため、作業員同士の衝突といったトラブルも発生しやすいです。また、現場監督などの責任者は、発注作業や写真整理などの事務作業で長時間労働になることもあるでしょう。

これらはストレスの要因になりやすく、積み重なるとメンタル不調を引き起こすことが懸念されます。

メンタル不調は睡眠不足を引き起こすほか、体内のホルモンバランスを崩し、認知機能に悪影響を与えることがあります。不安全行動につながりやすくなり、健康な人に比べてヒヤリハット体験が1.2~2.0倍上昇するとされています。

対策としては、普段から『県災防方式健康KY』や『建災防方式無記名ストレスチェック』といった取り組みを行い、現場作業員のメンタル不調をチェックしましょう。

建災防方式健康KYとは

建災防方式健康KYは現場作業員の体調を把握する取り組みです。現場の監督者が作業前に各作業員へ3つの問いかけを実施し、作業員の体調をチェック。状態に応じて結果報告・睡眠スコアの実施・相談機関などへの連絡を行います。

建災防方式無記名ストレスチェックとは

建災防方式無記名ストレスチェックは、作業員の無記名ストレスチェックを実施し、結果分析に応じて職場環境を改善する取り組みです。作業員全員で一斉にチェックし、工期内に複数回実施します。ストレスチェックからリスク評価を行い、優先度の高い案件から改善策を決定することができます。

しかし、チェック体制を充実させるだけでは不足しています。普段から業務効率化を図り長時間労働を改善するよう心がけましょう。長時間労働になりやすい現場監督の場合は、煩雑な事務作業は外部に委託して業務効率化を図ることも視野に入れましょう。

工事写真の整理は写真整理サービス『カエレル』の活用もおすすめです。膨大な工事写真整理を代行し、現場監督の業務負担を軽減します。

企業は、起こり得るリスクにしっかりと対策し、安心して働ける環境を整備しましょう。
出典:建設業労働災害防止協会「建設現場のメンタルヘルスと職場環境改善


手厚い健康対策で作業員の体調を管理

熱中症やメンタル不調といったピンポイントの対策だけでなく、作業員の体調そのものを管理し健康な状態を維持することも重要です。

たとえば、インフルエンザ予防接種などを現場の全作業員に実施するのも対策の一つ。毎年の健康診断を確実に受診するよう配慮し、自己負担になる検査費用を企業が負担するのも望ましいでしょう。

また、健康対策は、技能実習生に対しても手厚い配慮が必須です。体調管理面や教育体制がしっかり整っていれば、仕事に対するモチベーションアップにもつながります。

人手不足が深刻な土木業界では、現場作業員に安定して働いてもらうことが課題です。このような現状で、安心・安全に配慮しながら現場を動かしていくためには『健康経営』に目を向けることが重要といえます。

健康経営とは、従業員等(現場作業員)の健康監理を経営的な視点でとらえ、戦略的に行うことです。健康管理に投資することで、生産性の向上や業績の向上が期待できます。健康経営優良法人認定制度で顕彰されると社会的な評価にもつながるため、業界のイメージアップにも貢献するでしょう。現場で働く作業員の定着化や健康リスク対策として、手厚い健康対策を取り入れてみてはいかがでしょうか。


まとめ

現場作業員は、熱中症や労災事故といったあらゆる危険性と隣り合わせで働いています。企業は、現場作業員の安全を配慮し、企業レベルで対策することが大切です。

熱中症対策やメンタル不調対策といったピンポイントな体調管理から、予防接種の実施や健康経営へのシフトなど、健康な状態を維持するための戦略的な取り組みも重要です。

もちろん、体調管理は現場作業員だけでなく現場監督といった監督者にも必要不可欠。不調の要因になりやすい長時間労働削減のために、業務効率化を検討しましょう。
人材不足が深刻化している業界だからこそ、作業員一人ひとりの体調に気を遣った健康経営を展開しましょう。

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