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建設業法の一部が改正へ! 3つの改正ポイントを解説

2019年6月12日に『建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律(改正建設業法)』が交付されました。

この改正は、建設業における働き方改革の促進・現場の生産性の向上・持続可能な事業環境の確保という3つの観点から見直された内容になっていますが、具体的にどのような点が変わったのでしょうか。

本記事では、改正建設業法の背景と3つの改正ポイントを解説します。今後の業務改善に生かすためにも、改正内容についてあらためて振り返ってみましょう。


目次[非表示]

  1. 1.建設業法改正の背景とは
  2. 2.新たな建設業法でどう変わる? 3つの改正ポイント
    1. 2.1.1.建設業における働き方改革の促進
      1. 2.1.1.■工期の適正化(2019年9月1日より施行)
      2. 2.1.2.■現場の処遇改善(2020年10月1日より施行)
    2. 2.2.2.現場の生産性の向上
    3. 2.3.■限りある人材の有効活用と若者の入職促進(2020年10月1日より施行)
      1. 2.3.1.■建設工事の施工の効率化の促進のための環境整備(2020年10月1日より施行)
    4. 2.4.3.持続可能な事業環境の確保
      1. 2.4.1.■経営業務管理責任者に関する規制を合理化(2020年10月1日より施行)
      2. 2.4.2.■円滑に事業承継できる仕組みを構築(2020年10月1日より施行)
  3. 3.改正建設業法の施行に向けてどのような対応が必要?
    1. 3.1.請負契約書の見直し
    2. 3.2.社会保険加入の推進
    3. 3.3.人員配置の見直し・管理体制の整備
    4. 3.4.長時間労働の是正
  4. 4.まとめ


建設業法改正の背景とは

建設業は国民生活や社会経済を支えるうえで重要な役割を担っています。
しかしその裏側では、長時間労働の常態化など見直すべき実態も多く、職場環境改善や工期適正化などの推進は喫緊の課題となっています。

また、建設業では就業者の高齢化や入職者数の減少が進み、将来の担い手不足が懸念されています。厚生労働省のレポートによると、建設業における就業者の割合は、55歳以上が約34%を占めているのに対して、29歳以下は約11%。高齢化と若者離れが顕著にあらわれています。このような状況のなか、建設業が今後も重要な役割を果たしていくためには、現場の生産性向上が急務といえるでしょう。

出典:厚生労働省「建設業における若年労働者確保の課題について

そしてもう一つ、建設業者数は地方部を中心に減少しているという点も挙げられます。建設業が国内全体で活躍していくためには、適正な就労環境の整備や人材確保・育成などの仕組みを構築し、持続可能な事業環境を構築することが必要です。


新たな建設業法でどう変わる? 3つの改正ポイント

改正建設業法の主な改正点は以下です。

  • 建設業における働き方改革の促進
  • 現場の生産性の向上
  • 持続可能な事業環境の確保

この章では、国土交通省が公表している資料をもとに、改正の内容を解説します。

出典:国土交通省「建設業の働き方改革を進めるため、改正建設業法等の改正規定の一部を9月1日より施行します~改正建設業法等の施行期日を定める政令を閣議決定~」「建設業法、入契法の改正について

1.建設業における働き方改革の促進

■工期の適正化(2019年9月1日より施行)

“長時間労働の是正”という観点から、中央建設審議会が工期に関する基準を作成。著しく短い工期による請負契約の締結が禁止され、違反した場合は勧告を受けることになりました。

■現場の処遇改善(2020年10月1日より施行)

現場の処遇改善も改正のポイントです。

建設業の許可基準が見直され、取得・更新の要件に社会保険への加入が加えられるほか、下請代金のうちの労務費相当分は現金払いをすることが定められます。

2.現場の生産性の向上

■限りある人材の有効活用と若者の入職促進(2020年10月1日より施行)

従来、工事現場には監理技術者を現場ごとに1名配置することが義務付けられていましたが、企業によっては困難な場合もありました。

2020年10月1日より、技術士補制度が新設され、元請けに技術士補が専任で配置されていれば監理技術者が複数の現場を兼任することが可能となります。

そして、上位の下請けが一定の能力を有する主任技術者を専任配置するといった要件を満たしている場合は、下位下請けは主任技術者の配置が不要となります。

■建設工事の施工の効率化の促進のための環境整備(2020年10月1日より施行)

建設資材製造業者が引き渡した建設資材の不具合によって施工不良が生じた場合には、改善勧告・命令ができる仕組みが構築されます。

3.持続可能な事業環境の確保

■経営業務管理責任者に関する規制を合理化(2020年10月1日より施行)

これまで、建設業許可を取得するための要件のひとつに、実務経験が5年以上ある経営業務管理責任者の役員就任が必要でした。

しかし、この改正で、経営業務管理責任者の規制が合理化され、要件を満たした役員がいなくても事業者全体として適切な経営管理責任体制があれば許可の要件を満たせることになります。

■円滑に事業承継できる仕組みを構築(2020年10月1日より施行)

建設業許可の承継も可能になります。これまで、建設業者が事業を譲渡・合併・分割を行う際は新たに許可を取得することが必要でした。許可を得られるまで事業を行えないため不利益が生じる場合もありましたが、改正後は、事前認可の手続きをすれば建設業許可を継承することが可能になります。


改正建設業法の施行に向けてどのような対応が必要?

以下では、改正建設業法の施行に伴う必要な対応について解説します。

請負契約書の見直し

著しく短い工期で請負契約を結ぶことが禁止になっています。それに伴い、契約書には工事を施工しない日、または時間帯を記載する必要があります。

請負契約書のフォーマットを見直し、すでに締結されている場合は個別事項として追加しましょう。

また、見積もりについても見直しが必要です。見積もりには工事工程ごとの作業・準備に必要な日数を明記する必要があるため、項目を見直しましょう。

社会保険加入の推進

建設業許可を取得・更新する際には社会保険への加入が要件となります。新たに取得しようとする企業はもちろん、すでに許可を取得している企業も、5年ごとの更新の際に社会保険加入の審査が行われます。未加入の場合は許可を失う可能性があるため注意しましょう。

人員配置の見直し・管理体制の整備

元請けの監理技術者の兼任や下請けの主任技術者の不要化に伴い、新たな人員配置の最適化が重要となります。

また、経営業務管理責任者の確保が建設業許可の要件から外れるため、今後は事業者全体として、経営管理責任体制を整えることも必要です。企業は、業務に関する多様な人材確保や配置、管理体制の整備を検討しましょう。

長時間労働の是正

この法改正では、働き方改革の促進による長時間労働の是正が求められています。長時間労働是正のポイントとなる工期の適正化や管理体制の見直しを円滑に進めるためには業務効率化による生産性の向上が必要です。

業務プロセスの見直しをはじめ、業務効率化に努めましょう。


まとめ

『建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律(改正建設業法)』は、建設業における働き方改革の促進・現場の生産性の向上・持続可能な事業環境の確保という3つの観点により決定しました。建設業を営む事業者は、労働者の処遇改善、契約書・管理体制などの見直しが求められています。

建設業法改正の主なねらいは労働環境の改善です。

「何から始めればよいかわからない」とお悩みの場合は、まず、日常的な業務の効率化から始めてみてはいかがでしょうか。

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