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建設業界の働き方改革を解説

2019年4月より施行された働き方改革。多くの企業で働き方改革に向けたさまざまな取り組みが行われています。

今回は、建設業界の現状や、働き方改革の対応策について詳しく紹介します。


目次[非表示]

  1. 1.建設業界の現状と対応策 
  2. 2.建設業働き方改革加速化プログラムとは
    1. 2.1.長時間労働の是正に関する取り組み
      1. 2.1.1.週休二日制の導入を後押し
      2. 2.1.2.適正な工期の設定
    2. 2.2.給与・社会保険に関する取り組み
      1. 2.2.1.技能や経験にふさわしい処遇を実現
      2. 2.2.2.社会保険への加入をミニマム・ スタンダードにする 
    3. 2.3.生産性向上に関する取り組み
      1. 2.3.1.生産性向上に取り組む企業を後押しする
      2. 2.3.2.仕事を効率化する
      3. 2.3.3.限りがある人材・資機材の効率的な活用を促進する
    4. 2.4.重層下請構造改善
  3. 3.まとめ


建設業界の現状と対応策 

厚生労働省の資料によると、2017年の時点で建設業に従事している55歳以上の就業者は全体の約3割。2027年には就業者の大量離職が予想される一方、34歳以下の割合は2割以下という現状です。このまま人手不足が続けば後継者も不足し、建設業自体を続けていくことが困難になる企業が増加することも考えられます。

若手の技能労働者が定着しない大きな原因としては、休みが取りづらい、労働に対して賃金が低いなどの理由が挙げられています。そのため賃金の向上や社会保険への加入および福利厚生の向上に務めていくことが必要です。

この問題に対する具体的な取り組みとして、厚生労働省は35歳以下の若年層または女性の作業従事者に対し、一人当たり月額最大4万円の助成金を支払うなどの対応策を行っています。

また、時間外労働も大きな問題となっています。本来、労働時間の限度は1日8時間・1週40時間と定められていますが、建設業は全産業と比較すると年間で300時間以上の長時間労働が行われています。工期が設定されている建設業が時間外労働の上限規制に取り組むためには、仕事を発注する側と受注する側双方の理解と協力が必要です。

企業間ではコミュニケーションをしっかり取り、お互いに有益な工事となるようにしましょう。社内では、労働時間や施工管理を行うITシステムの導入やアウトソーシングを活用し、業務の時間短縮や生産性向上に努めていくことも必要となるでしょう。

出典:厚生労働省「建設労働者を取り巻く状況について」「建設労働者確保育成助成金のご案内 (建設事業主向け)」国土交通省「建設業就業者の年齢構成」「「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定~官民一体となって建設業の働き方改革を加速~


建設業働き方改革加速化プログラムとは

建設業でも働き方改革が進んでいます。国土交通省は建設業界の抱えるさまざまな問題を解決するために、“建設業働き方改革加速化プログラム”を策定しました。

建設業働き方改革加速化プログラムには、長時間労働の是正・給与や社会保険の見直し・生産性向上といった、3つの分野における新たな施策がまとめられています。

近年、日本の生産年齢人口は減少が続いており、建設業への影響も大きいです。人手不足の深刻化が危ぶまれる状況を打破するためにも、働き方改革の推進は必要不可欠。建設業働き方改革加速化プログラムは、将来の新しい担い手を確保するという目的も掲げています。

災害時の復旧作業やインフラ整備など、日常生活を営むうえで重要な役割を担う建設業。今後も社会を支えていくために、プログラムを推進して働き方を改善することが求められています。

長時間労働の是正に関する取り組み

長時間労働を是正するため、国土交通省では週休二日制の導入と適正な工期の設定について、取り組み内容をまとめています。    

週休二日制の導入を後押し

週休二日制を導入するための取り組みには以下が挙げられます。

  • 公共工事で週休二日を実現している企業や件数を大幅に拡大し、民間工事でも試行する
  • 週休二日を実現している公共工事で労務費等の補正を導入して、共通仮設費や現場管理費等の補正率を見直す
  • 週休二日を実現した企業や女性の活躍が進んでいる企業を積極的に評価する
  • 週休二日を実現してほかの規範となるような現場を可視化する

公共工事が率先して週休二日を実施するだけでなく、労務費・機械経費の補正を新たに導入。工事成績評定の考査項目にも週休二日の取り組みが加わりました。

適正な工期の設定

長時間労働を是正するためには、適正な工期の設定も重要です。

  • 業種や特性を考慮したうえで適正な工期設定等のためのガイドラインを改定する
  • 受・発注者がお互いに協力して取り組みを推進する
  • 工期設定支援システムを地方公共団体等に周知する

長時間労働を是正するためには適正な工期の設定が重要です。しかし災害復旧で時間的な制約がある場合や、民間工事で発注者に理解を求めにくい状況もあります。建設業の働き方改革は、双方の理解と協力が必要だといえるでしょう。

給与・社会保険に関する取り組み

給与や社会保険も建設業の課題の一つです。建設業の働き方改革では、職人が持っている技能や経験に相応な処遇を実現する取り組みが行われています。

技能や経験にふさわしい処遇を実現

建設業は、ほかの業界と比べて賃金が低いとされています。経験や資格を有した就業者を適切に評価することも処遇改善に効果が期待できます。

  • 資格や就業履歴を登録する建設キャリアアップシステムの稼働と登録の推進する
  • 技能者の能力を適切に評価するための能力評価制度を策定する
  • 高い技能や経験を有する建設技能者に対して公共工事での評価や雇用する企業の施工能力等の可視化を検討する

賃金や処遇が改善できれば新規就業者数の増加や離職防止等が見込めます。

社会保険への加入をミニマム・ スタンダードにする 

社会保険の未加入も建設業が抱える問題の一つです。


  • すべての発注者に対して、下請が社会保険加入業者であることを要請する
  • 社会保険に未加入の企業には、建設業を行うための許可や更新を認めない仕組みを構築する

社会保険の未加入をなくすことで、いざというときの公的な保障が確保できます。また、若年層の新規入職者減少を止める一手になる可能性もあります。

生産性向上に関する取り組み

生産性向上に関する取り組みとには、実現に取り組む企業の後押しや、業務効率化などが挙げられます。
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生産性向上に取り組む企業を後押しする

生産性の向上は企業単位ではなく業界全体の問題といえます。

  • 公共工事の積算基準等を改善する
  • i-Construction大賞の対象を拡大する
  • 建設リカレント教育を推進する

この取り組みは、中小規模の建設企業による積極的なICT活用の促進や人材育成を通して、生産性向上を図るのがねらいとなっています。

仕事を効率化する

生産性の向上には、業務効率化が重要です。具体的には以下の取り組みが挙げられます。

  • 建設業許可等の申請手続きを電子化する
  • 公共工事で関係する基準類を改定することで、IoTや新技術を導入しやすくし施工品質の向上と省力化を図る
  • 建設キャリアアップシステムを活用し、書類作成等の現場管理を効率化する

許可の申請や工事、内業の負担を軽減して全体の効率化を図ります。

限りがある人材・資機材の効率的な活用を促進する

建設業でも人手不足の問題は顕著です。また専門的な知識や技術はもちろん、資機材を効率的に活用する手腕も求められます。

  • 現場技術者の将来的な減少を見すえて、工事における技術者配置要件の合理化を検討する
  • 補助金等を受けて発注される民間工事を含め、施工時期の平準化を図る

就業者の多数を占める世代が定年に達することを考慮すると、建設業では大量の離職が予想されます。建設業は限られた人材や資機材で現場を回せるような仕組みを構築することが必要です。

重層下請構造改善

建設業は、発注者が仕事を下請に依頼していく重層下請構造です。また、専門性が高く高度な技術を必要とするため分業が進んでいます。

しかし、役割や責任の所在が不明確になったり、品質や安全性が低下したりといった弊害が指摘されています。

働き方改革では、下請次数を制限し、重層下請構造の改善を検討しています。

出典:国土交通省「建設業働き方改革加速化プログラム


まとめ

建設業における働き方改革を推進するために、国土交通省は具体的な取り組みとして『建設業働き方改革加速化プログラム』を策定しました。

建設業働き方改革加速化プログラムには、建設業の長時間労働の是正および給与などの待遇改善や生産性向上に関するさまざまな取り組みがまとめられ、建設業全体の働き方や処遇の改善を後押ししています。

建設業における働き方改革の実現には課題も多く残されていますが、まずは現場作業でできることから始めてみてはいかがでしょうか。

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建設業で働き方改革を実現するためには、身近なことから一歩ずつ進めていきましょう。

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