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現場をスムーズに進行するための“工事打合せ簿”の書き方

工事を実施するにあたり、発注者・受注者でさまざまな書類を取り交わしますが、なかでも重要なのは“工事打合せ簿”です。受発注者がお互いに工事の施工状況について、確認しておくために欠かせません。

工事打合せ簿には、打合せ事項や建設過程で設計変更などが必要となった場合の発議事項を記載して“処理・回答”を求めるために使われます。

内容を分かりやすく記載しなければ、相手方から質問が返ってきたり処理してもらえなかったりするため、工事の進行が遅れることもあります。

本記事では、現場を円滑に進めるための工事打合せ簿の書き方について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.“工事打合せ簿”が現場の進行に影響する?
    1. 1.1.受注者による“協議”はトラブルが起きやすい
  2. 2.工事打合せ簿における“協議内容”の書き方
    1. 2.1.題名を付ける
    2. 2.2.課題を先に記述する
    3. 2.3.問題点を明確にする
    4. 2.4.実際の現場状況を数値で示す
    5. 2.5.表を使って立案する
    6. 2.6.前後比較を記載する
  3. 3.工事打合せ簿は“電子提出”も可能
  4. 4.まとめ


“工事打合せ簿”が現場の進行に影響する?

工事打合せ簿とは、受注者と発注者が相互に施工状況を確認し、お互いに認識のずれが生じないようにする重要な書類のことです。発注者または受注者から発議があった事項を記載して、相手方が書類で“処理・回答”を行うことが原則とされています。

やり取りで発生する処理・回答については、単に受理のみで完了する内容もあります。しかし、「内容の意味が分からない」「判断するための情報が足りない」などの問題が発生すると、処理・回答が遅れるケースもあります。

相手方の処理・回答が遅れると、現場の円滑な進行に影響を及ぼしかねません。受発注者の無用なやり取りによって現場を混乱させないためにも、工事打合せ簿は分かりやすく簡潔に記入することが求められます。

受注者による“協議”はトラブルが起きやすい

工事打合せ簿のやり取りのなかでも、“受注者による協議”はトラブルに発展しやすいケースとされています。

協議内容には、主に設計図書と工事現場の状況不一致が挙げられます。たとえば、工事用道路の改良など、施工過程で設計変更が必要になった場合に、受注者から発注者に対して協議が行われます。

こうしたケースでは、適切な現地調査を行い、当該事項の理由や施工方法などの協議内容を明確に記載したうえで、受注者から承認を得る必要があります。承認が得られなければ、次の工事を進められないほか、工事費用の追加を認めてもらえない場合もあります。このようなトラブルを防ぐためにも、工事打合せ簿は明確かつ簡潔に記載することが重要です。


工事打合せ簿における“協議内容”の書き方

工事打合せ簿は、受注者・発注者との間に行き違いが起きないように残しておく大切な書類です。そのため、工事打合せ簿を作成するためには要求を分かりやすく記載する必要があります。

主な記載事項には、以下が挙げられます。

  • 協議理由
  • 対策検討の理由
  • 数量
  • 形状寸法
  • 施工方法
  • 概算金額
  • 延長必要日数

ただし、これらの内容をただ羅列するだけでは、内容を把握しにくく、相手方に理解してもらえない可能性があります。

下記では工事打合せ簿を作成する際の6つのポイントを紹介します。

題名を付ける

相手方が工事打合せ簿を確認する際、複数の担当者を経由して精査されることがあります。認識のずれを防ぐために、すぐに本題に入るのではなく題名を付けましょう。「○○工(工事の種類)○○付近(場所)についての協議」というように、ツリー形式で大まかな情報を記載するとよいでしょう。

課題を先に記述する

協議内容には、まず何について協議したいのか、課題を先に明記しましょう。課題を後回しにしてしまうと、結局何をしたいのか相手方が把握しにくくなります。「○○の改善が必要」「○○に伴う数量変更について」など、協議内容における課題を先に明記することで、書類の要旨をすぐに理解しやすくなります。

問題点を明確にする

発注者の承認がなぜ必要なのか、課題のボトルネックを明確に記載する必要があります。「○○に必要な地盤強度が足りない」「工事道路に○○(重機)の走行ができない」というように、問題点を具体的に記載します。相手方に問題の重要性を把握してもらうため、抽象的な説明にならないよう注意しましょう。

実際の現場状況を数値で示す

受注者からの協議において、発注者が気になるのが「改善・変更が本当に必要なのか」という点です。言葉だけで伝えると信憑性に欠けてしまい、適切な判断がなされない可能性があります。協議にあたっては、計測機器などを活用して現場を十分に調査し、現状の測定データを数値で記載しましょう。具体的な数値を記載することで信憑性が高まり、協議理由の根拠を示せます。

表を使って立案する

工事打合せ簿では、現状の問題点を踏まえて、実現可能な対策を複数立案しましょう。それぞれの代替案における工期や費用などは、表を使って比較すると分かりやすくなります。どの代替案が最適か視覚的に把握できるため、スムーズに協議を進められます。また、施工内容の改善・変更の必要性が明確になり、協議内容の説得力もアップします。

前後比較を記載する

工事内容の改善・変更が必要になる場合、発注者が気になるのは工期や費用の問題です。受注者が立案した策を実行した場合と現行のままの場合で、それぞれ工期・費用を比較した見積書を提出しましょう。前後比較しやすくなるため、スムーズな処理・回答を促します。


工事打合せ簿は“電子提出”も可能

一般的に、工事打合せ簿は押印した書面で取り交わすこととされています。しかし工事現場や事務所が遠方にある場合は、書面の郵送に時間・費用がかかり、処理・回答も遅くなるという問題があります。

こうした無駄をなくして手続きの効率化を図るために、工事打合せ簿は電子メールでの取り交わしも可能となっています。発注者と受注者で、工事打合せ簿の取り交わしは電子メールで行う旨を決定しておけば、書面でのやり取りは必要ありません。事前協議によって紙で提出すると決めた書類以外はすべて電子提出が認められます。

また、情報共有システムを導入している企業は、システム上で工事打合せ簿を作成することも可能です。書類作成にかかる労力や時間を削減できるほか、処理・回答もシステム上で対応できます。協議の内容や処理状況も可視化できるため、よりスムーズなやり取りにつながるでしょう。


まとめ

工事打合せ簿は、受発注者間で施工内容に行き違いがないよう記録するための重要な書類です。工事打合せ簿に協議内容を明確に記載することで、発注者が内容を理解できず処理・回答が遅れたり、承認が得られなかったりといったトラブルが起こるリスクを低減させます。

工事打合せ簿には協議に必要な情報を盛り込み、明確にかつ分かりやすく記載することが重要です。無用なやり取りが発生しないよう、今回紹介したポイントを参考に、書き方を工夫するとよいでしょう。

また、受発注者間で事前に決定していれば、電子提出も可能です。業務の効率化を測るために、電子メールや情報共有システムを積極的に活用しましょう。

しかし、工事打合せ簿にとくに問題がなくても、内容の照査等で発注者側の処理・回答が遅れる場合もあります。このような場合は、工事全体の工程管理に役立つネットワーク工程表を活用しましょう。ネットワーク工程表を活用すれば、プロジェクト全体の総所定日数を可視しやすくなるため、工事の遅延のリスクをいち早く発見でき、必要な措置を迅速に行えます。

ネットワーク工程表についてはこちらも併せてご参照ください。

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