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ネットワーク工程表とは? 基本的なルールと書き方について解説

建設現場で使用される工程表の種類の一つ“ネットワーク工程表”。一般的に複雑なプロジェクトの施工管理に用いられ、全体の流れを把握しやすいことが特徴です。

まだ広く浸透していないため、「特徴やメリットをよく理解していない」「書き方のルールが分からない」という人もいるのではないでしょうか。

本記事では、ネットワーク工程表の特徴やメリット、基本的な書き方について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.ネットワーク工程表とは?
    1. 1.1.ネットワーク工程表のメリット
      1. 1.1.1.1.各作業前後の依存関係性を把握しやすい
      2. 1.1.2.2.作業の順序を全体像で把握できる
      3. 1.1.3.3.プロジェクト全体の所要日数を把握できる
      4. 1.1.4.4.各工程で工事の短縮・遅延防止の施策を講じられる
  2. 2.ネットワーク工程表の基本ルール
    1. 2.1.専門用語
    2. 2.2.表記ルール
  3. 3.ネットワーク工程表の書き方~4つのステップで解説
    1. 3.1.1.工事内容を洗い出し、前後を関連付ける
    2. 3.2.2.各工事の所要時間を入れ、スケジューリングする
    3. 3.3.3.進行状況に応じてフォローアップを行う
    4. 3.4.4.合理的な配員計画を考える
  4. 4.まとめ


ネットワーク工程表とは?

ネットワーク工程表とは、作業工程を矢印と丸印の結び付きによって表した工程表です。たとえば、以下のように記載されます。

例)①→②→③
①の作業が完了したら②へ、②の作業が完了したら③へと続く

各作業の項目とその日数、前後の工事を関連付けることにより、工事全体の工程の流れを明確化し、完成までの最短期間を把握するのに役立ちます。


ネットワーク工程表のメリット

ネットワーク工程表には、下記のようなメリットがあります。

1.各作業前後の依存関係性を把握できる
2.作業の順序を全体像で把握できる
3.プロジェクト全体の所要日数を把握できる
4.各工程で短縮に向けた方策・遅延の対策を講じられる

それぞれを詳しく見てみましょう。

1.各作業前後の依存関係性を把握しやすい

大規模工事など、複雑な工程が存在するプロジェクトでは、一つの現場で複数の作業員が各担当工事を行っています。

しかし、工程のなかには、前の工事が終わらなければ着手できないといった、依存関係を持つ工事があります。工事の依存関係を把握できていなければ、各現場の進捗確認に時間を要し、手待ち時間が発生することがあります。

ネットワーク工程表を作成すると、作業の順序や前後の工事との因果関係が明確になります。因果関係を把握することで、次の作業に移れるポイントが見えやすくなります。

2.作業の順序を全体像で把握できる

作業員が工事の全体像を把握しておらず、時間を無駄にすることがあります。

ネットワーク工程表を作成すると、「この工事に着手するには、○○の工程が必要」といったことが可視化され、複雑な工事も分かりやすく理解できます。

また、作業順序を網羅でき、複雑な工事も個人単位で作業内容を把握しやすくなります。

3.プロジェクト全体の所要日数を把握できる

複数の工程が入り混じる工事では、プロジェクト全体の所要日数を把握しにくいことがあります。

ネットワーク工程表を作成すると、工事の依存関係を確認しながら各作業の所要時間を見積もることができるため、プロジェクト全体の所要日数を把握しやすくなります。

4.各工程で工事の短縮・遅延防止の施策を講じられる

複雑な工事では、事前に設定した工程表どおりに作業が進まないことも珍しくありません。

ネットワーク工程表を作成することで、一部の工事が遅延、あるいは短縮した場合に、全体へ及ぼす影響をすぐに把握しやすくなります。

早い段階で工事を短縮するための施策や遅延防止の施策を講じられるため、プロセス全体の最適化につながります。


ネットワーク工程表の基本ルール

ネットワーク工程表には専門用語ルや表記ルールがあります。作業を開始してから不具合が生じないよう、基本を押さえておきましょう。

専門用語

主な専門用語には以下があります。

◇アクティビティ

各作業を矢印で表した作業単位でアルファベットで記載します。実際の工程表では、作業A、作業Bなどと呼ばれることがあります。

◇クリティカルパス

プロジェクトの開始から終了までで、遅らせることのできない重要な作業の最短日数を表します。工事前後の依存関係に沿って工事が進んだときに、最終的にプロジェクト全体の所要時間がもっとも大きい経路になります。

◇イベント

各作業が結合する点のことで、丸印で表します。丸印の中には重複しない番号を記入します。

◇ダミー

作業の前後関係を表すための仮(ダミー)作業で、仮のイベントを点線矢印で結びます。あくまでダミーのため、作業や時間についての要素は含めません。

表記ルール

主な表記ルールは以下です。
ルールに沿って作成することで、だれが見ても分かりやすい工程表が作成できます。

  • アクティビティ(矢線)の上に作業番号(例:作業A)を記入する
  • アクティビティ(矢線)の下に作業に必要な時間を記入する
  • アクティビティ(矢線)は作業の進行方向へ向ける
  • イベント番号は作業の進行に向かって大きな数字になるよう記入する
  • アクティビティ(矢線)の作業が完了しなければ、次の作業に進めない
  • 同一イベント間に、2つ以上の矢線を引くことはできない



ネットワーク工程表の書き方~4つのステップで解説

ここからはネットワーク工程表の書き方を4つのステップで解説します。

1.工事内容を洗い出し、前後を関連付ける

まずは、プロジェクトにおいて必要な工事を洗い出します。
複数の建築会社によって行われる場合は専門工事ごとに洗い出すと、一つひとつの作業が把握しやすくなります。

次に、各工事の依存関係を考慮して前後を関連付けます。
たとえば、「作業Aが完了したら作業Bを開始、作業Bが完了したら作業C・作業Dを開始」というように記載します。それぞれの流れを矢線で結び、結合部にはイベント番号を記載しましょう。

別ルートの工事でありつつも、前後の依存関係が発生する工事(作業Bだけでなく、作業Cを終えなければ作業Dを開始できないなど)については、仮のイベント番号を追加し、ダミー(点線矢印)でつなぎます。

2.各工事の所要時間を入れ、スケジューリングする

ネットワーク上の関係性を考慮しながら、所定の期日に収まるように各工事における標準の所要日数を見積もります。
ここで見積もった所要日数は、アクティビティ(矢線)の下に記載しましょう。

ただし、複数ルートの工事が終了してから次の工事に移行する場合は、各工事の標準所要日数に誤差が生じることがあります。標準の所要日数がどこかのアクティビティで超えてしまう場合は、日数の大きいほうを採用し、クリティカルパス上の日程調整を行いましょう。

それぞれのルートにおける最長の所要日数を選択して調整することで、プロジェクト全体における総所要日数を導きだせます。

3.進行状況に応じてフォローアップを行う

全体のスケジュールを決定したとしても、設計変更や悪天候などで工事の進行が遅れる、あるいは早まるケースもあるでしょう。

最初に設計した工程表から変更があった場合は、実際の進行状況と当初の計画を比較して、アクティビティや所要日数を修正する必要があります。この作業をフォローアップといいます。

フォローアップでは、アクティビティごとの所要日数の見直しや、新アクティビティの追加などを検討します。計画変更後のクリティカルパスを早い段階で確認すれば、遅延を最小限に抑えるための対策が講じられます。工事遅延につながるトラブルが現れたら、すぐにフォローアップを実施しましょう。

4.合理的な配員計画を考える

工期内に工事を進めるためには、各工程において合理的な計画が不可欠です。工事内容や所要日数、コストなどを考慮して、必要な配員計画を考えましょう。

適切に配置することで、人員不足やコスト増加の防止につながります。技術者の人数や作業時間をはじめ、機材や資材を平均的に配置することが重要です。


まとめ

ネットワーク工程表は、プロジェクト全体の流れを把握しやすいことが特徴です。複雑な大規模工事や、複数の専門工事が行われる現場の総合管理に適しています。

各工事における前後の関係性が明確になることで、「工期遅延の対策が必要な場所はあるのか」「どの工程にどのくらい余裕があるのか」などを把握でき、合理的に作業を進められます。

また、プロジェクトの開始前に各工事の所要日数やクリティカルパスを算出すれば、作業が円滑に進み、遅延が起きた際にもすばやい計画の修正も可能になるでしょう。

「コストや人員数を考慮して合理的な工程表を作成したい」「工事の大幅な遅延を防ぎたい」というお悩みをお持ちの方は、ネットワーク工程表を活用してみてはいかがでしょうか。

工事の遅延やトラブルを未然に防ぐためには、工事打合せ簿の作成も不可欠です。工事打合せ簿の書き方については、こちらの記事で詳しく紹介しています。併せてご参照ください。

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