【実例】出来形の合否判定の基準と判定ミスを防ぐチェック方法
- さくら 及川
- 10月6日
- 読了時間: 4分
更新日:11月26日

出来形とは、工事品質を数値で確認するための重要な管理項目です。
本記事では、新人施工管理者が押さえるべき規格値の考え方と
合否判定の流れをわかりやすく解説します。
現場でよくある失敗例や対策も紹介するので、実務にすぐ活かせます。
目次
出来形とは?新人がまず理解すべき基本
出来形とは、施工した構造物の寸法や形状が設計図通りになっているかを確認することです。
これは品質保証の最初のステップであり、現場管理における必須作業です。
新人がよく誤解する点として、「仕上がりがきれいに見えれば合格」
という考え方があります。
しかし、実際には数値で管理するため、見た目だけでは合否は判断できません。
例えば道路工事では、舗装厚さが設計値より5mm薄いだけで不合格になるケースもあります。
現場でよくある失敗例:黒板に測点を記載し忘れて写真を提出し、場所の特定ができずやり直しになった。
👉 出来形とは数値で確認する管理手法であることを意識しましょう。
出来形管理における規格値の考え方
規格値とは、施工品質を判定する基準値のことです。
発注者や規格書によって定められており、現場ごとに異なる場合があります。
例えば道路舗装では以下のような代表例があります。
アスファルト舗装厚さ:設計値±10mm
路床の締固め度:90%以上
コンクリートかぶり厚さ:設計値+40mm, -10mm
測定結果はこの規格値と照合し、±許容差の範囲内であれば合格となります。
現場でよくある失敗例:規格値を確認せずに現場独自の判断で合否を出し、検査時に指摘を受けた。
👉 規格値は必ず確認し、実測値と比較して記録する習慣をつけましょう。
合否判定の流れとチェックポイント
出来形合否判定は、以下の流れで行います。
実測(全景→ゼロ位置→実測値アップ)
実測値と規格値の照合
±許容値内か確認
判定結果を黒板や帳票に記録
不合格の場合は是正工事または再施工
±許容値は工種ごとに異なりますが、道路舗装や鉄筋かぶり厚さでは特に厳格に管理されます。
現場でよくある失敗例:ゼロ位置を確認せずに実測を始め、基準値からのズレが大きくなった。
👉 測定は必ずゼロから始め、合否判定を明確に記録することが重要です。
新人が押さえるべき実務上の注意点

新人が現場で注意すべき点は以下の通りです。
測点記録の徹底:黒板・記録表に必ず記載
写真の整合性:黒板の記載内容と右欄の入力情報を一致させる
ミスの防止策:同じ測点を複数人でクロスチェック
現場でよくある失敗例:写真は撮ったが黒板に「出来形検査」と書かれておらず、別工種の写真と混同された。
👉 出来形検査は記録精度が命。曖昧さを残さない工夫を心がけましょう。
出来形検査に役立つチェックリスト
全景写真 → ゼロ位置 → 実測アップの順序
スケール目盛りと記録値の整合性確認(±5mm以上差があれば指摘対象)
規格値未満・過剰差がある場合は是正内容を記録
判定後は必ず帳票・写真を整理
現場でよくある失敗例:目盛が読めない写真を提出し、再測定が必要になった。
👉 チェックリストを活用し、抜け漏れを防ぎましょう。
施工管理者として成長するための3つの実践法
測点や規格値を常に確認する習慣をつける
写真・黒板・帳票の三点整合を徹底する
先輩や検査官の指摘を記録し、次回改善に活かす
まとめ|規格値と合否判定を理解すれば現場がスムーズに

出来形とは、施工精度を数値で確認する管理手法です。
規格値を正しく理解し、合否判定を正確に行うことが現場の信頼につながります。
新人施工管理者は「記録精度」と「規格値確認」を徹底し、実務で活かしてください。
すぐに試せるチェックリスト
測定は全景→ゼロ→実測アップの順で行う
黒板・記録表の整合性を必ず確認する
規格値と実測値の差を±許容範囲で判定する
不合格時は是正内容を明記する
著者情報
本記事は、延べ300現場の内業代行サービスを運営し、
全国の施工管理者の写真整理を支援してきた会社が執筆しました。
実務経験に基づき、新人でも理解しやすい基礎知識をまとめています。



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