KY活動の基礎知識|新人施工管理が押さえる安全確認の流れ
- さくら 及川
- 10月21日
- 読了時間: 5分

建設現場で働く新人施工管理者にとって、
KY活動(危険予知活動)と安全確認は必須のスキルです。
本記事では、現場で役立つKY活動の基礎知識から実践手順、
よくある失敗例まで整理して解説します。
目次
1. KY活動とは?建設現場での基本的な考え方

KY活動とは「危険予知活動」の略であり、
作業前に潜む危険を予測して対策を共有する取り組みです。
建設現場では事故や災害を未然に防ぐため、安全管理の最も基本的な活動とされています。
KY活動の目的は以下の3つに整理できます。
危険要因を洗い出す
作業員全員で共有する
実行可能な対策を実施する
たとえば足場作業前に「転落の危険がある」と洗い出し、
「手すり設置」「安全帯着用」といった対策を具体化します。
これによりヒューマンエラーを抑制できます。

KY活動は単なる形式ではなく、現場の安全文化を築く基礎です。
新人施工管理者は、まず「危険を予測する習慣」を定着させましょう。
2. なぜ施工管理にKY活動が必要なのか
新人の施工管理者は、現場経験が少ないためリスクに気づきにくい傾向があります。
そのため、KY活動を通じて危険予知力を鍛えることが欠かせません。
実際、経験の浅い未熟練労働者の災害発生率が高くなるという傾向もあります。
新人ほどKY活動による安全教育の効果が大きいのです。

KY活動をしっかりと行わないとどのようなことが起こるか
高所作業での墜落事故
重機との接触・巻き込まれ
資材の落下・飛来による災害

引用:建設荷役車両安全技術協会
こうした失敗は事故につながりやすく、
安全確認の重要性を軽視すると大きなトラブルとなります。
新人施工管理者は「KY活動=自分を守る手段」と理解することが必要です。
3. KY活動の進め方|現場で押さえる手順
KY活動は以下の手順で行うのが一般的です。
危険要因の抽出作業内容を確認し、転落・感電・重機接触などのリスクを洗い出す。
対策検討洗い出したリスクごとに有効な対策を決定。
例:「感電防止=絶縁手袋着用」
役割分担誰がどの対策を実行するかを明確にし、責任を共有。
指差し呼称で確認「ヨシ!」の声出しを加え、実行を習慣化する。

実際のKYシート活用例KYシートは「危険要因」「対策」「担当者」を一目でわかるようにまとめるツールです。
実際の現場では、写真や図を添付することで理解度が向上します。
「シートに書いて終わり」ではなく、
必ず声に出して確認することが事故防止に直結します。
新人管理者は自ら先頭に立って実施しましょう。
4. 安全確認のポイント|実務に直結する注意事項

安全確認の基本は「作業前・作業中・作業後」の3段階で行うことです。
作業前:工具・保護具の点検、作業範囲の確認
作業中:声かけ・合図、作業姿勢のチェック
作業後:清掃、撤去物の確認、次工程への引き継ぎ
よくある失敗例
「工具は揃っている」と思い込み、破損した器具を使用する
暑さで集中力が低下し、確認作業を省略する
作業後に残置物を放置し、次工程で事故が発生する
安全確認は一人ではなく全員参加で行う仕組みにすることが重要です。
小さな怠慢が大事故につながることを忘れてはいけません。
5. 新人が現場で活用できるKY活動の工夫例
新人施工管理者がKY活動を効果的に行うためには、以下の工夫が役立ちます。
OJT教育との連携:先輩と一緒にシートを記入する
写真記録の活用:黒板写真にKYの要点を残すことで復習可能
チェックリスト方式:短時間でも安全確認が漏れなくできる
KY活動事例から学ぶポイントある鉄筋工事の現場では、
「足場材の落下危険」を新人が指摘したことで、追加の落下防止ネットを設置。
結果的に事故を防止できたケースがあります。
このように、小さな気づきが現場全体の安全につながります。
読者の皆さんも「今日の作業で一つ危険を見つける」ことを目標にしてみましょう。
施工管理者として成長するための3つの実践法

毎朝のKY活動に必ず参加し、声を出して確認する
KYシートに「自分の言葉」で危険要因を記入する
一つでも気づきを現場で共有する
6. まとめ|KY活動は新人施工管理の第一歩
KY活動は、安全管理の基礎であり建設現場に欠かせない取り組みです。
新人施工管理者にとっては、危険予知力を養い、実務で信頼を得る第一歩となります。
最後に「すぐに試せるチェックリスト」を紹介します。
すぐに試せるチェックリスト
✅今日の作業で起こり得る危険は?
✅その対策は実行できているか?
✅自分以外の作業員も理解しているか?
✅安全確認は声に出して行ったか?

本記事は、延べ300現場の内業代行サービスを運営し、
施工アルバム整理や安全管理支援を行ってきた会社が執筆しました。
現役の施工会社としての実体験をもとに、
新人施工管理者の安全教育に役立つ情報を提供しています。