実際の現場での出来形記録の工夫|写真管理・電子納品の失敗しない方法
- さくら 及川
- 10月6日
- 読了時間: 4分

出来形記録は品質管理の根幹であり、写真管理や電子納品に直結する重要な業務です。
本記事では、出来形記録の効率的な方法から、
現場での写真管理・電子納品の失敗しない工夫まで、
全国300現場の経験をもとに解説します。
目次
出来形記録とは?品質管理に不可欠な業務

出来形記録とは、設計図どおりに施工されていることを
証明する書類・写真・データのことです。品質管理の基礎であり、
検査や竣工書類の作成に欠かせません。
国土交通省が定める「電子納品要領」でも明確に規定されており、
不備があれば工事成績評定の低下や再提出が求められる場合があります。
例えば、測点が記載されていない黒板や、
撮影位置が不明瞭な写真は不適合として扱われることが多いです。
👉 出来形記録を正しく残すことは、工事の信頼性を高める第一歩です。
現場で多い写真管理の課題と解決策
写真管理は出来形記録の中でも特に現場担当者を悩ませる作業です。
よくある失敗例は以下のとおりです。
黒板が写っていない、または文字が不鮮明
必要な工程写真が不足している
同じ構図で不要な重複写真が多い
フォルダ名・ファイル名がバラバラで検索に時間がかかる
これらを防ぐには、撮影ルールの徹底とファイル名の統一化が不可欠です。
たとえば「工種_測点_日付」の形式に統一するだけで検索性は大幅に向上します。
また、クラウドストレージを活用すれば、現場と事務所で即時に共有でき、
バックアップも容易です。
👉 まずは「写真管理ルール表」を現場に掲示し、チーム全員で徹底しましょう。
電子納品で失敗しないためのチェックポイント
電子納品は、出来形記録の最終成果物を発注者へ提出する重要な工程です。
しかし現場では、以下のような失敗が頻発します。
データ形式が電子納品要領に適合していない
ファイル名やフォルダ階層が命名規則違反
提出直前で検証エラーが発覚し、手戻りが発生
これを防ぐには、専用ソフトの自動チェック機能を活用することが効果的です。
また、提出前に第三者がダブルチェックする体制を整えることも有効です。
👉 提出直前ではなく、定期的に中間チェックを行いましょう。
出来形記録を効率化する3つの工夫
効率的に出来形記録を残すには、次の3つの工夫が役立ちます。
ICT活用ドローン測量や3Dスキャナを導入し、写真や点群データを効率的に取得。
クラウドアプリの利用写真整理やタグ付けを自動化し、必要データを即座に検索可能。
モバイル端末入力スマホやタブレットから現場で直接記録を入力し、内業作業を大幅に削減。
👉 少しずつICTを取り入れることで、現場の負担を着実に減らせます。
現役施工会社が実践する写真・電子納品管理術
私たちは全国300現場以上の内業を代行してきました。
その経験から得られたノウハウを紹介します。
失敗例1: 写真整理が間に合わず、提出直前に徹夜対応→ 改善策:日次でクラウドアップロードし、リアルタイムで確認
失敗例2: 電子納品ソフトに不慣れでエラー多発→ 改善策:標準テンプレートとマニュアルを作成し、誰でも使える状態に整備
失敗例3: チーム間でファイル命名規則がバラバラ→ 改善策:会社全体で統一ルールを導入
👉 「現場でよくある失敗」を一度整理し、組織で改善策を共有しましょう。
施工管理者として成長するための3つの実践法
新しい電子納品要領やICT技術に常に触れる
不適合事例や改善策をチームで共有する
自社のチェックリストを現場ごとに改善し続ける
まとめ|出来形記録を効率的に残すために

出来形記録を効率的に残すには、
写真管理のルール化と電子納品の中間チェックが重要です。
さらに、ICTやクラウドを取り入れることで業務効率を大幅に改善できます。
私たちは延べ300現場の内業代行を通じて、
写真管理や電子納品の課題に向き合ってきました。
その経験から言えるのは、小さな改善を積み重ねることが、
品質管理と現場力向上につながるということです。
すぐに試せるチェックリスト
写真に黒板・測点が明確に写っているか
ファイル名は統一ルールで整理されているか
電子納品の中間チェックを行ったか
クラウドや外部ストレージにバックアップ済みか
ICTやアプリを活用して効率化できているか
👉 まずは1つの工夫を取り入れ、自社の出来形記録を改善してみてください。
執筆者:延べ300現場の内業代行サービスを運営する施工会社



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